ホテルマロウド軽井沢の夕食は、2階のレストラン『Lumière(ルミエール)』。フランス語で「光」の意味を持つが、その名のとおり、私たちが案内されたテーブルの窓には、キラキラと灯が輝いていた。
今回は同じホテルに三連泊となるので、毎日同じ料理で飽きないかと心配していたが、全くの杞憂だった。毎日メニューが変わり、そのどれもが本当に美味しいのだ。飲み物を除くと3日間で15種類の料理。私たちには何年に一遍しか味わえないご馳走だ。その中でも、特に美味しかったものを幾つかご紹介したい。
白ワインは、「Pouilly Fumeプイイ・フュメ(ソーヴィニヨン・ブラン)」(9/19)
まずは「かんぱ〜い🥂」
朝4時起きで、東京から高速を飛ばして軽井沢まで150kmドライブし、ホテルに車を置かせてもらってから旧軽井沢界隈を1万歩以上散歩し、夕方チェックイン。目がまわるような1日を過ごしたご褒美として、ようやくここにたどり着いたのだ。
2人で、「無事にここまで来れて良かったね!」と喜び合っているうちにスープが来た。
その名は、「キャラメリゼしたさつまいものクリームスープ カプチーノ仕立て」。これが絶品だった。
「キャラメリゼしたさつまいものクリームスープ カプチーノ仕立て」(9/19)
レストランの方に聞くと、フランス語の「キャラメリゼ」とは「カラメル化反応」のことで、砂糖を加熱した際、糖分が酸化するときに起こる現象だとのこと。何とも言えない香ばしい香りに、さつまいものクリームの甘さが一緒になって、口に入れた泡がとろけるようだ。
「嬬恋高原キャベツのスープ」も美味しかった。言われなければ、キャベツで作ったスープとは全くわからない。
「嬬恋高原キャベツのスープ」。赤ワインは、「安曇野池田カベルネ・ソーヴィニヨン」(9/20)
嬬恋村は、軽井沢から約30kmくらい北側の、県境の峠を越えた群馬県吾妻郡の村である。夏の冷涼な気候を活かした高原野菜の栽培が盛んで、高原キャベツの産地として知られている。そのキャベツを使ったスープ。美味しくないわけがない。
魚料理は本当にどれも美味しかったが、中でもこの二つを紹介したい。
「太刀魚のオーブン焼きと信州田助丸なす トマトチャツネのソース」(9/20)
「太刀魚」って、今までに食べたことがない。金属光沢で平たく細長い体型から「太刀魚」と呼ばれているらしい。見た目がとぐろを巻いてギラギラしていたので、どんなものかと思ったら、上品な味わいの白身魚で、丸なすと一緒に食べると、濃厚な旨味のとてもおいしい魚だった。
もう一つは、「金目鯛のプレゼ 軽井沢アメーラトマトと香草のソース」。
「金目鯛のプレゼ 軽井沢アメーラトマトと香草のソース」(9/21)
レストランの方に「プレゼって?アメーラトマトって?」と矢継ぎ早に質問したら、喜んで説明してくださった。
「プレゼ」とはフランス料理で「蒸し煮」のことだそうだ。また、「アメーラトマト」は、トマトの品種ではなく、独自の栽培方法で、厳しい基準をクリアしたトマトのブランド名で、名前の由来は、静岡の方言で「甘いでしょ(あめーら)」からだという。この静岡生まれのアメーラトマトの栽培を環境の良い軽井沢で始めた農場があって、そのトマトを仕入れているらしい。
ハーブの香りに包まれた甘いアメーラトマトスープの中に、蒸されて素材のおいしさが全体に染みわたった金目鯛。今まで食べた鯛とは全く違う素晴らしい一品だった。
肉料理は2つ、写真だけ紹介する。
「塩麹でマリネしたアルプス牛肩ロース肉のグリル 秋野菜と共に」(9/20)
「近江鴨の自家製ハム サラダ仕立て」(9/21)
最後に、デザートの中で一番美味しかったものを紹介したい。「長野県産ぶどうのアンサンブル アールグレイのジュレとハチミツのアイス」である。夫婦2人とも、虜になってしまった。
「長野県産ぶどうのアンサンブル アールグレイのジュレとハチミツのアイス」(9/20)
ヨーグルト、ぶどう、ジュレ(ゼリー)、ハチミツアイスが4層のアンサンブルとなっていて、その絶妙な組合せの味に、本当に舌がとろけそうな気がした。
このデザート、また食べたい!何とか再現できないものだろうか?
新型コロナもあり、懐事情も考えると、滅多に泊まりの旅行なんてできない。でも今回オフ・シーズンを選んで思い切って来てみたら、宿泊者数も少なく、静かに、ゆったりと食事を楽しむことができて、本当に良かった。
でも一番は、素晴らしい料理を提供して下さったシェフとスタッフの皆さんだ。このホテルは今回10年ぶり2回目の宿泊になるが、できればまたいつか来て、美味しい料理を味わってみたいと思う。
ありがとうございました。
9月後半に出かけた「軽井沢の旅」の一連の記事です。あわせてご覧ください😁