武蔵野つれづれ草

リタイア後を楽しく!と始めた凸凹夫婦の面白ブログ。見たこと、感じたこと、残したいことをつづります。

🙋‍♂️懐かしの英語の歌を読む(7)Audrey Hepburn「Moon River」


今回選んだのは、Audrey Hepburn(オードリー・ヘップバーンの歌う『Moon River(ムーン・リバー)』である。

オードリー・ヘップバーンは、「ローマの休日」で衝撃的なデビューをした、知らない人はいないほど有名な、イギリス出身の世界的女優だ。そしてこの曲は、彼女主演で1961年に映画化されたティファニーで朝食を(Breakfast at Tiffany’s)』の主題歌である。作詞ジョニー・マーサー、作曲ヘンリー・マンシーニによって作られ、同年のアカデミー歌曲賞を受賞しているし、グラミー賞では最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀編曲賞の3部門を受賞している。

映画の中では、窓枠に座ったオードリー・ヘップバーンが、ギターを弾きながら、自分自身に語るかのように歌っている。映画の中で本人が歌うのはまれなので、ものすごく貴重なシーンだと思う。

f:id:musashino007:20231026160558j:imageローマの休日(1953)、ティファニーで朝食を(1961)シャレード(1963)、マイフェア・レディ(1964)

実は、この曲を初めて聴いたのは高校生くらいの時である。実家にあったAndy Williams(アンディ・ウィリアムス)のLPレコードの中の一曲だった。正統派の落ち着いたあの甘い声は、私の心にもしっとりと響いて魅力的だったし、「ムーン・リバー」はアンディ・ウィリアムスの曲だと、当時は思っていた。(実は、映画公開の翌年の1962年にカバーされたもの)
映画『ティファニーで朝食を』の中でオードリー・ヘップバーンが歌うのを聴いたのは、だいぶ経ってからのことだ。歌う人によって雰囲気は大きく異なるが、心に響くのは同じである。

まず、YouTubeで、2人が歌う動画をそれぞれ聴いてみよう。音域が狭いので歌いやすい曲だ。

⚫︎Audrey Hepburn『Moon River』
(売れない作家ポール(George Peppard)がタイプを打っていると、主人公ホリー(Audrey Hepburn)がギターで歌う声が聞こえてくる)

⚫︎Andy Williams 『Moon River』
(甘いマスクと魅惑的な声で、大人気だった。英語の歌詞付き)

 

それでは、「英語の歌を読む」7曲目スタート!

 

Moon River(Audrey Hepburn)

Moon river, wider than a mile
ムーンリバー とっても広い河
I’m crossing you in style some day
いつの日か 見事に渡ってみせる

Old dream maker
あなたはわたしに夢を見せもするし
You heart breaker
心を打ち砕きもするけど
Wherever you’re going
あなたがどこに行こうとも
I’m going your way
わたしはついていく

Two drifters, off to see the world
二人は漂流者 世界を見るために旅立つ
There’s such a lot of world to see
見たい世界はたくさんある

We’re after the same rainbow’s end
わたしたちは同じ虹の端を追いかけている
Waiting, round the bend
待っているよ あの曲がり角の向こうで
My huckleberry friend
わたしの大切な友だち
Moon river, and me
ムーンリバー そしてわたし

今回悩んだのは「My huckleberry friend」だ。huckleberryを和英辞書で調べると、コケモモに似たつつじ科の低木の果実、としか書いていない。ところが、英英辞書では、Huckleberry Finn すなわち、マーク・トウェイン作『ハックルベリー・フィンの冒険』について触れていた。調べてみたら、トム・ソーヤーとハックルベリー(ハック)・フィンは親友だ。また、ハックはアルコール中毒の父親から脱出し、自由を求めてオハイオ川を横断する。作者は自由を求めて冒険するハックルベリーの生き方に、主人公のホリー・ゴライトリーを重ねているのではないか。そうすると、この「My huckleberry friend」は、〈私の親友、大切な友達〉のように解釈するとしっくり来る、ということで、上記のように訳すことにした。

ニューヨークの安アパートに暮らすホリー(Audrey Hepburn)の日課は、朝帰りのタクシーを降りたあと、一流宝石店ティファニーのショー・ウィンドウを眺めながら、コーヒーとクロワッサンの朝食をとることだった。映画の冒頭シーンにそのシーンがあり、映画の題名にもなっている。

f:id:musashino007:20231026162335j:image映画の冒頭シーン。ショーウィンドウを眺めながら朝食をとる、主人公ホリー・ゴライトリー

ホリーはテキサスの田舎で生まれた孤児で、生活のために親子ほど年の離れた優しい男性と14歳で結婚。しかし貧乏暮らしに嫌気がさして家出してニューヨークにやって来た。兵隊に行った唯一の肉親である兄を養うため、一獲千金の夢を追い求め、夜な夜な金持ち男性をエスコートしてお金を稼ぐ生活をしている。一見、自由気ままに暮らしているように見えるが、目指したはずの人生とは程遠く、心の中はいつも寂しくて、ぐるぐる渦を巻いている。人からどう思われようと、たどり着きたい夢がある。そんな彼女の心が、ギターを弾きながら歌う姿から透けて見える。歌詞の内容は、そんな彼女の心の動きを現しているかのように思えるのだ。

映画より小説(トルーマン・カポーティ作「ティファニーで朝食を」)の方が好きという声もあるようなので、いつかそちらも味わってみたい。

 

私の「New York 5番街」の思い出

実は、このニューヨークの「ティファニー本店」、約30年前に一度入ったことがある。1994年(平成6年)12月上旬、米国に約1週間の海外出張をした時のことだ。カリフォルニア空港経由で、ワシントン州シアトル、オレゴン州ポートランドコロラド州デンバー、そしてニューヨークの4都市の6企業を訪問して日本に戻るという強行日程だった。

f:id:musashino007:20231029142826j:image当時の「ニューヨーク」ガイドブックより。Central Park南端近くにTiffany(S134)がある。メトロポリタン美術館(The Met)(M10)も駆け足で回った。

それでも、3泊したニューヨークでは少し時間に余裕があったので、5th Avenue(5番街)にあるこの有名な宝石店「ティファニー本店」に、妻へのクリスマスプレゼントを買いに入った。普通なら絶対入らなかったであろうお店に入ってしまったのだ。

f:id:musashino007:20231026162542p:image現在の「Tiffany 本店(New York 5th Avenue)」(Tiffany HPより)。今年4月に新装開店したらしい。HPを見たが、30年前の方がまだ入りやすかったかも。

女性ものなんて、一人で買ったことは無いし、日本人の店員はいないし、お店に足を踏み入れた途端に、入るんじゃなかったぁ!と後悔した。が、ここで諦めたら男がすたる、と逃げずに頑張った。親切な女性店員に身振り手振りで相談(商品を身につけてもらったり)しながら、何とか買うことができた。

f:id:musashino007:20231117141307j:imageTiffanyから500mほど歩いたところにSaks Fifth Avenue(S3)、クリスマスツリーで有名なRockefeller Center。もっと先には、Empire State Building、通り2本北の方には、Times Squareがある。

ティファニー本店」での買い物を無事に済ませたあと、Fifth Avenueを少し西に歩いて、老舗高級デパート「サックス・フィフス・アべニュー(Saks Fifth Avenue)」にも入ってみた。店内には陽気なクリスマスソングが流れ、プレゼントを買う人たちで溢れていた。ここでは子供達へのプレゼントを買い、大規模書店「バーンズ・アンド・ノーブル(Barnes & Noble) 」では、オールディーズのクリスマスソングCDを買った。今思えば、よくぞ一人でぶらぶらしたものである。

f:id:musashino007:20231026162829p:image「Saks Fifth Avenue」(Wikipediaより)

12月上旬にはもう街全体がクリスマスセールという感じで、5th Avenueの少し北にあるタイムズ・スクエア(Times Square)界隈のネオンも一段と光輝き、賑やかだった記憶がある。

f:id:musashino007:20231029140551p:image「Times Square 」(Wikipediaより)

そう言えば、ロックフェラー・センター(Rockefeller Center)の大きなクリスマスツリー🎄を見たりしながら、5th Avenue を南西に2kmくらい下って、「エンパイア・ステート・ビルディングEmpire State Building)」の86階展望台にも昇ったっけ。混んでいたのと金網越しで、きれいに夜景は見えなかったけど。


怖いもの知らずの、まだ元気な30代後半の頃の、思い出のニューヨーク。懐かしい。

また、映画『ティファニーで朝食を』を観てみるか。いや、それとも原作小説の方かな?

 

今までの「懐かしの英語の歌を読む」です。
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