武蔵野つれづれ草

リタイア後を楽しく!と始めた凸凹夫婦の面白ブログ。見たこと、感じたこと、残したいことをつづります。

🙋‍♂️懐かしの英語の歌を読む(14) 「ダニー・ボーイ(Danny Boy)」


今回和訳するのは 「ダニー・ボーイ(Danny Boy)」。多分ほとんどの人が、このメロディを何処かで耳にしたことがあると思う。

原曲は、18世紀から伝わるアイルランド民謡の「ロンドンデリーの歌(The Londonderry Air」で、これ自体は歌詞のない器楽曲だ。この曲には様々な歌詞がつけられているが、現在、一番広く歌われているのが「ダニー・ボーイ」である。

「ダニー・ボーイ」の歌詞は、第一次世界大戦の前年の1913年(大正2年にロンドンで出版されたフレデリック・ウェザリーの詩によるものだ。私の長女が高校1年の時に使った音楽の教科書には、ハリー・ベラフォンテ(注)らが歌ってヒットしたと書いてあった。(注)「バナナ・ボート」でブレイクしたアメリカ合衆国の歌手で、アフリカ支援のチャリティソング「ウィ・アー・ザ・ワールド」の制作にも携わった歌手である。

f:id:musashino007:20240321123553j:imageスコットランドの風景

この曲を初めて聞いたのはいつだったか、もうよく覚えていないが、この歌の心に訴えかけるようなメロディは、昔から大好きだった。ただ、「ダニー・ボーイ」の英語の歌を聞いた時は、この歌は「ダニー坊や」の子守唄だと思っていたような気がする(笑)。

英語の歌詞を確認しつつ、自分のイメージに合った編曲や声質のものを選びたくて、YouTubeで色々な歌手、ハリー・ベラフォンテアンディ・ウィリアムスエルヴィス・プレスリー、パティ・ペイジ、ケルティック・ウーマンなど、何十人もの「ダニー・ボーイ」を聞いてみた。

しかしながら、2番までフルで歌っている歌手が意外に少なくて、歌詞も微妙に違っている(roses がflowersだったり、dyingがfallingだったり。graveがdreamなんてのも)。どれが正解なんだとだいぶ悩んだが、選んだ歌手の歌詞で行こうと決めた。結局選んだのは、エルヴィス・プレスリー。2番まで歌っていて、かつ心に響いたのが彼の歌である。昭和世代の私にはぴったりだった。

まずはこの曲を聞いてみよう。

⚫︎エルヴィス・プレスリー「Danny Boy」
(1番+2番。アイルランドの景色)


それでは、懐かしの英語の歌を読む、行ってみよう。

 

ダニー・ボーイ(Danny Boy)

A1
Oh Danny boy, the pipes, the pipes are calling
愛するダニー、バグパイプがお前を呼んでいる
From glen to glen, and down the mountain side
谷から谷へ、そして山のふもとまで
The summer's gone, and all the roses dying
夏は過ぎ去り、全てのバラが枯れていく
'Tis you, 'tis you must go and I must bide.
お前は行かねばならず 私は残らねばならない

B1
But come ye back when summer's in the meadow,
でも戻っておいで 草原に夏が来る頃
Or when the valley's hushed and white with snow
あるいは谷が静まり返り 雪で白くなる頃に
And I'll be here in sunshine or in shadow
私はここにずっといる 陽射しの中でも夕闇の中でも
Oh Danny boy, oh Danny boy, I love you so.
ダニーよダニー、お前を愛してる

A2
But if ye come, and all the roses dying
だけどお前が帰って来て、バラが全て枯れ
And I am dead, as dead I well may be
私が死んでいたら、いや死んでいても構わない
Ye'll come and find the place where I am lying
帰ってきたお前は 私の眠る場所を見つけてくれる
 And kneel and say an Ave there for me.
そしてひざまずいて 私のために祈りを捧げてくれるだろう

B2
And I shall feel, though soft you tread above me
私は感じるのだ、たとえお前が私の頭上をそっと踏みしめていたとしても
And then my grave will richer, sweeter be
そうすれば 私の墓はより豊かで甘美なものになるだろう
For you will bend and tell me that you love me
お前は屈んで 私を愛していると言うだろう
And I shall rest in peace until you come to me
私は安らかに眠っている お前が私のもとに帰って来てくれるまで


pipes」は「笛」とも「バグパイプ」とも訳されるが、スコットランドなので、この場面での「pipes」は戦場での進軍に用いられるバグパイプではないか・・との解釈もあり、それを採用した。だからこの歌詞には、愛する息子を送り出す親の悲しさとわずかな希望、そして諦めが、混在となって漂っているように思う。そんな親の気持ちを想像しながら、じっくりと歌を聴いてみると、また違う景色が見えてくる。

 

日本人としては、平原綾香さんが英語バージョンで歌っているので、参考に載せておきます。ただ、歌詞は若干違っています。
⚫︎平原綾香「Danny Boy(English Version)」
(ピアノ伴奏で歌う彼女の歌が、静かに心に響く。やはり彼女の歌声は素晴らしい)

 

この曲の原曲である「ロンドンデリーの歌(Londonderry Air」は、たくさんの楽器で演奏されている。交響楽団吹奏楽、ピアノ、ヴァイオリン、サックス、ギター、リコーダー、ケルト笛など、色々と聞いてみて選んだのはこの2つ。本当はもっとたくさん載せたいけれど・・。

⚫︎リコーダー&アンサンブルの「Danny Boy」
(オランダのリコーダー奏者ルーシー・ホルシュ演奏。 ルートヴィヒオーケストラ。リコーダーの音色が素晴らしくて聴き入ってしまう)

⚫︎オーケストラの「Danny Boy」
( 1960年代初期、フィルハーモニア管弦楽団演奏。パーシー・グレインジャー編曲。クラシカルな編曲と素敵なハーモニーが心に沁みる)

最後に参考として載せるのは、娘の高一音楽教科書の中の「ダニー・ボーイ」の楽譜。訳詞は、なかにし礼である。コードが書いてあるので、ギターの弾き語りに使えるかも。


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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

今までの『懐かしの英語の歌を読む』です。結構たまってきました。よろしければご覧ください。

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