東京都には、意外と緑が多い。都心にも大小の心地良い公園があるが、都心らしい公園と言ったら、それは『屋上ガーデン』ではないだろうか。
最近用事で都心に行く機会があり、都心に佇む?聳える?『屋上ガーデン』をいくつか訪ねてみたので紹介したい。東京在住・在勤がウン十年になるわたしも初めての体験である。
屋上庭園『KITTEガーデン』
最初は、JR東京駅近くの、屋上庭園『KITTEガーデン』を紹介する。
まずは、JR東京駅西側改札の「丸の内地下中央口」を出たところで、構内の案内パネルで自分の現在地と行き先を確認。高層ビルの多い都心の地上では、GPS衛星からの電波が捕捉できず位置精度が不正確になったり、ビルの狭間に立つと方角が分からなくなることが、都民でもよくあるのだ。
東京駅地下の案内パネル
見ると、KITTEまではほんの400〜500mしかないし、地下通路を歩けばすぐ辿り着きそうだ。一応方角が分かったので、すぐ地上(出口M2)に出てみた。が、案の定「あれれっ?どっちだ?」となり、再び案内パネルを探し、東京駅の赤煉瓦駅舎を向いて自分の位置を再確認した。
地上の案内パネル。すぐ隣なのに…😅
地上出口から見た東京駅。赤煉瓦の駅舎、綺麗!
実は自分のすぐ横の高いビルが『KITTE』だった。
分かりずらいが入口上方に「KITTE」という文字があったので、多分ここだ、と思いながらエントランスをくぐると、
『KITTE』エントランス
そこには、大きな吹き抜けの三角形のアトリウムがあった。広々としてとっても気持ちのいい空間だ。
入った時の第一声「わ〜ぉ!」
入りきらないので広角で撮影
入口の案内板を調べてみると、屋上庭園は6Fにあり、エスカレータで行けるようだ。
エントランスの案内板。屋上庭園は6Fだ
2Fフロアから撮影
各フロアにはたくさんショップが入っているが、後回しにして、ワクワクしながら目的地の6F屋上庭園までエスカレータを上ると、
左側から撮影
右側から撮影
あった!屋上庭園『KITTEガーデン』
立ち並ぶ高層ビル群を、180度ぐるりと展望できるのだ。高層ビルの壁面は、まるで鏡のように、青空とビル群を反射している。これが都心の屋上ガーデンなんだ〜、と納得しつつ、板の床の上を左側から回ってみる。
先ほど地上で見た、重要文化財の赤煉瓦の東京駅丸の内駅舎を、優雅に上の方から眺めることができる。外国人のカップルもこの風景を楽しんでいた。
6Fから見た赤煉瓦駅舎
外国人カップルも楽しそうだ
遠くに新幹線も見える
赤煉瓦に見とれて、それ以外の写真を撮らなかったのが悔やまれるが、屋上右側のコーナーにはお花がいくつか咲いていた。屋上には座って休むベンチや芝生もあるので、無料で楽しめる最高の場所ではないだろうか。
都心の屋上ガーデンをもっとイメージしてもらえる方法はないかと考えて、スマホアプリ「マップ」で3D表示してみた。意外とGoogleマップよりAppleマップの方が精細だった。
←(矢印)の三角形の屋上が『KITTEガーデン』である。背後の高層ビル(JPタワー)を含めて日本郵便のビルだ。屋上にズームインしてみると、ガーデンの詳細がよく分かる。
「KITTEガーデン」にズームイン
「KITTE」は、2013年3月、JR 東京駅丸の内南口前に日本郵便が初めて手がける商業施設として開業したそうだ。ちょうど今年が「開業10周年」となる。旧東京中央郵便局舎の一部を保存・再生して建築され、6階の開放的な屋上庭園「KITTEガーデン」は約1,500平方メートルに及ぶらしい。名前の由来は、わたしの想像よりも深い意味を持っていた。
Wikipedia「KITTE」より
「KITTE」という施設名は、“切手”を貼ると郵便として大切な人に想いが届くのと同じように、商品やサービスに「KITTE」という付加価値を加えることで、それらに込められた想いまでもきちんと届けることができる施設でありたいという気持ちを込めて名付けられた。また「KITTE」には“来て”という意味も込められており、商業施設にとって大切な“賑わい”をつくることと、“多くの人に来ていただきたい”という想いを、楽しく伝えることを目標にしている。
今回わたしが見学したのは昼間だが、多分夜間は駅舎が赤々とライトアップされるそうなので、迫力ある姿を鑑賞できるだろう。また、東京駅構内を発着する新幹線や電車の窓明り、丸の内オフィスビル群の窓明りなど、都心らしい豪華な夜景を楽しめることは間違いない。
さて、『KITTE』は商業施設であり、ビルの中には、たくさんのお店が入っている。
⚫︎「KITTE丸の内」のフロアマップ
https://marunouchi.jp-kitte.jp/ より
「 KITTEガーデン」のある6F。1Fで見た三角形のアトリウムの屋根の周りに展望の良いガーデンがある
気になったお店を一つだけ紹介すると、2Fフロア⭕️の場所にある『石見銀山 群言堂(ぐんげんどう)』だ。雰囲気が素敵だった。島根の職人が出張して手掛けた内装に、国産の良質な素材にこだわった洋服の他、山陰の雑貨や食材を中心にしたショップということだが、もちろん、島根県の世界遺産・石見銀山の大田市大森町に本店がある有名なお店だ。🙋♀️(妻)が好きなお店の一つで、最初に入ってファンになったのは、JR高尾駅北口店。KITTEにもあったとは。今後のために、要チェックだ。
見学を終えて、KITTE丸の内を出て振り返ると、背後に高層ビル「JPタワー」が控える6Fの『KITTEガーデン』が見えた。
6FのKITTEガーデン。背後がJPタワー
実は、この日は東京駅〜有楽町駅界隈の屋上ガーデン4ヶ所を、用事が済んだ後の限られた時間の中で足早に回ったので、ゆったりした見学ではなかったが、それでも、自分としては初めての経験であり、都心の屋上庭園の素晴らしさを実感することができた。だが、今頃それに気づくとは。東京都民としては今まで存在を意識していなかったのがもったいない!
今回、都心の屋上ガーデンの一番目として、東京駅丸の内近くの屋上庭園『KITTEガーデン』を紹介した。
次回は、有楽町駅近くにある屋上ガーデンを紹介したい。