我が家には、6回目の新型コロナ接種券が、届いている。接種期間は5月8日から8月末まで。今までであれば、競うように予約していたのだが、今回はしていない。
接種する必要性は、果たしてあるのだろうか?
まず、現在のコロナ感染の実態把握からいこう。
厚労省の定点観測結果
松野博一官房長官が7日の記者会見で、新型コロナウイルスの患者数が「緩やかな増加傾向にある」とコメントした。また、10日の朝日新聞では、以下のように書いている。
(出典)朝日新聞記事(2023.6.10)
厚生労働省は9日、全国に約5千ある定点医療機関に5月29日~6月4日に報告された新型コロナウイルス新規感染者数は計2万2432人で、1定点あたり4・55人(速報値)だったと発表した。前週(3・63人)の約1.25倍となり、42都道府県で前週より増えた。4月上旬からの緩やかな増加傾向が続いている。
(略)
国立感染症研究所(感染研)の鈴木基・感染症疫学センター長は「(2022年秋以降の)『第8波』ほどではないが、全国で上昇傾向が見られる。特に沖縄は以前の流行に近い状況になっており、注意が必要だ」と話した。
(略)
鈴木センター長は「目に見えない流行の拡大や死者の増加はおそらくないだろう」としている。
この記事だけ見ると、「大丈夫そうだな」と感じてしまうが、果たしてそうだろうか?
実際の厚労省の定点観測の報告書を眺めてみよう。
(出典)厚労省報告書「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について(2023.6.9)」
https://www.mhlw.go.jp/content/001105457.pdf
確かにこのグラフを見ると、全国としては緩やかな上昇ではあるが、都道府県別ではどうだろうか?
この表だと都道府県別の増減の差異が分かりづらい。仕方ないので、5月18週から6月22週までの4週間の増加率(18週÷22週)を色分け【黄(3倍以上)、橙(4倍以上)、赤(5倍以上)】してみた。つまり、表の右端の数字は、4週間で何倍になったか、という意味だ。
沖縄が2.42倍で色が付いていないが、5類の前の第18週で既に6.52人/定点という大きな数字だからであって、県の規模から考えると、結構大変だと思った方がいいだろう。
東京都の定点観測結果
わたしの住んでいる東京都は3.75倍で黄色だが、首都圏(一都三県)として見ると、全体的に増加率が高い。東京都単独のデータはどうだろうか。
(出典)東京都モニタリング分析
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/info/monitoring.html
やはり全国と比較して、増加の立ち上がりが大きいようだ。2番目のグラフは60歳以上だが、こちらの方がさらに増え方が急なのは、なぜだ⁈
このグラフを見て、未来をどう予想するか。
スロープは一見なだらかに見えるが、5/1-5/7の週から4週間で3.75倍にもなっているのだ。第8波のピークの数値が19.78人/定点だったので、このペースで増加した場合は、4週間後には5.29×3.75=19.84人/定点となり、第8波のピークを超えてしまう。つまり、東京都では、7月上旬に第9波が来るという計算になる。全国では第8波のピークは約30人/定点だったから、もっと時間がかかる。全国での第9波は7月末くらいだろうか。
厚労省発表の「緩やかな増加傾向」と、この緊迫感ある第9波の予想との大きな隔たりは、一体なぜ生じるのだろうか⁉️
定点観測は氷山の一角
もう一つ、心配な点がある。
はたして、定点観測の数字は、実態を表しているだろうか?という点だ。次の記事を読んでみよう。
(出典)東洋経済オンライン「コロナは風邪?5類移行後に感染した20人の本音 ネット上で言われるほど「軽い」のか?(2023/06/10)」
https://toyokeizai.net/articles/-/678451?display=b
記者は、発熱外来の病院、処方箋薬局、学校施設などで、5類移行後に感染した人(疑いも含む)に1~3分程度の簡易インタビューを重ねたという。オンラインを含めると、取材対象者の数は100人超にものぼる。
詳細は記事を見てほしいが、やはりというか、コロナと思われる急な発熱でも病院に行かない人や、病院に行っても、医者からコロナでしょうと言われながらPCR検査はせずに解熱剤を処方される人が多いということだ。自覚がないまま陽性で登校している子どもも結構いる。
もう一つ、症状は軽いと言われているが、いざかかってみると、思っていた以上に症状が重い人も多いようだ。倦怠感と息苦しさがずっと残る、いわゆる後遺症になる人もいる。
この記事から見えてくることは、厚労省が発表している定点観測数値は、ほんの氷山の一角ということだ。世の中にコロナ陽性者は、もっとたくさんいる❗️
もちろん、ただちに医療崩壊が起きるわけではないだろうが、自分自身を含め、一人一人が、いま一度、この現状から、何に注意して行動したら良いか、真剣に考えるべきだと思う。
最低限、電車やバス、混雑した場所などでは必ずマスクを着用することだけは、ぜひ心がけたい。
先日満員電車に乗ったら、身動きできないのに、マスク無しの人が周りにたくさんいて、怖かった。マスクは人にうつさない目的も大きい。もし陽性者が満員電車の中でマスク無しだったなら、ほぼ確実に誰かにうつしてしまうだろう。コロナ感染は「確率の問題」だ。マスクしていなくても今まで罹らなかった人は、たまたま運が良かっただけだと思う。混雑した屋内でマスクを着用するのは、自分のためだけでなく、人のためなのだ。
ワクチン5回目接種時の体調不良について
肝心の6回目のワクチン接種の是非に入る前に、5回目接種時の体調不良について、書いておきたい。
我々夫婦は、既に下表のように、5回ワクチン接種をしている。
いずれも、接種後の腕の痛み、発熱、倦怠感という副反応を経験したが、特に5回目の後がひどくて、「もう次は絶対うちたくない!」と、夫婦共に痛切に思った。
倦怠感の期間が、結構長かっただけでなく、何日かしてから、🙋♂️(夫)には蕁麻疹が、🙋♀️(妻)には鼻炎症状が(11月なのに)出たのだ。以前より疲れやすい気がするし、接種後7ヶ月経つが、いまだ、体調は万全とはいえない。
当時、🙋♂️(夫)は「自家感作性皮膚炎」というアレルギー性の皮膚炎の治療をしている最中だったし、🙋♀️(妻)も元々花粉症なので、このワクチンは、その人の身体の弱いところの免疫系に、何らかの影響を及ぼすのではないか。と、素人ながら分析している。とすると、第6回目はもうやめた方が良いのではないか。
ところで、このような、接種直後ではなく暫くしてからの副反応?後遺症?について、政府はどう分析しているのだろう。今回調べてみたら、国で調査研究していることがわかった。
どんな内容だろうか?
(出典)厚労省「新型コロナワクチンQ&A」https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0170.html
現時点において、ワクチンが原因で接種後に遷延する症状(いわゆる後遺症)が起きるという知見はありませんが、接種後の遷延する症状を含めた副反応が疑われる症状について実態把握をする研究に取り組んでいます。
(略)
令和5年4月28日に厚生労働省の審議会において研究班より調査結果の第一報があり、今回報告された症状、確定病名、疑い病名の一覧からは、現時点で懸念を要するような特定の症状や疾病の報告の集中は見られなかった、との報告がなされました。なお、この第一報は調査結果を早期に報告するためのものであり、詳細については引き続き分析の上、今後報告する予定とされています。今後も、新たな知見が得られ次第、速やかにお知らせしていきます。(出典)「新型コロナワクチン接種後の遷延する症状に関する実態調査について」
(第93回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和5年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会資料)
実態調査の中に、こんなデータがあった。
色々な診療科を受診しているのに驚く。しかもだいぶ経ってから。報告書は、「懸念を要するような特定の症状や疾病の報告の集中は見られなかった」としているが、しかし、これも、氷山の一角ではないだろうか。この表の数字は、かなりひどい状態の人だけの数字であって、わたしたち夫婦のような程度のデータは多分全く含まれていない、と思われる。
ただ、ここで言えることは、ワクチン接種の一時的な副反応よりもっと長く継続する症状の人は、ある程度存在するという事実だ。
コロナワクチンについて書かれた本も読んでみる必要があるのではないか?
ということで調べてみたら、結構な数の本が出版されていた。ただ、あまりにもセンセーショナルな題名&副題の本や、あまり知られていない出版社の本は、避けたほうが無難かもしれない。近くの図書館にある本で目についたのがこんな4冊だ。早速予約してみたが、まだ読んではいない。ワクチンに対する見方が変わるのかどうかが、自分でも楽しみだ。
6回目ワクチン接種の是非
さて、6回目のワクチン接種だが、現時点ではするつもりはない。第9波が来そうな予感があるので、本来ならすべきなのかもしれないが、しない一番の理由は、やはり怖いからだ。5回目より6回目の方が、もっと体調不良になる気がする。致死率の高い、とんでもない変異株が出て来たら、また考えるかもしれないが。
(上記の本を読んだら安心するのか、それとも、もっと不安になるのか・・・・。)
じゃあ、第9波が来たら、ワクチン無しでどうするのか?
答えは、もう決まっている。
テレビの情報番組のMCが「若者は症状が軽いのでまだ大丈夫だが、お年寄りは命に関わるので、十分注意をしてください」とよくコメントする。我々高齢者はこれを聞くと、「高齢者は自宅で閉じこもっていた方がいい」というふうに聞こえてしまう。実際、もし第9波になったら、高齢者は、出来るだけ外出せず、閉じこもるしかない⁉️
しかし、こう考えたらどうだろう。
〈しばらくは、今までと同じように、外出時はマスクをし、混雑した場所は極力避け、消毒しつつ、散歩や食事や買い物を楽しむ。免疫力を高めるバランスの取れた食生活と適度な運動。帰ってきたら手洗い、うがいをきちんと行う。好きな本を読んだり、映画やドラマをたくさん観る。夜更かしせず、睡眠時間をたっぷり取る。〉
こうしてみると、ちょっと不便ではあるが、なかなかのものではないか。土日や連休の関係のないリタイア後の高齢者だからこそできるとも言える。ものの考え方によって、気分も変わる。というより、変えよう!
世の中は、気分的には「afterコロナ」になっているが、事実としては感染は収まっておらず、第9波がくるかもしれない。
だから、どんな世代でも幸せに暮らすために、最低限、混雑した場所での「マスク着用」は守ろうではないか。withコロナの時代、みんなのために、お互い注意しながら楽しく暮らしましょう!
以上、新型コロナに関するお話でした。最後までご覧いただき、ありがとうございました。
〈参考〉2ヶ月半前のブログです。