武蔵野つれづれ草

リタイア後を楽しく!と始めた凸凹夫婦の面白ブログ。見たこと、感じたこと、残したいことをつづります。

🙋‍♂️つれづれなるままに「徒然草」を読んでみた

 

吉田兼好の「徒然草」序段のこの部分は、誰しも読んだことがあるだろう。

つれづれなるまゝに、日くらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。


退職後の夫婦の目指すブログ生活はこの序段のイメージにぴったりだと思い、我々のブログ名を「武蔵野つれづれ草」と名付けた。


しかし、よくよく考えてみれば、この序段以外「徒然草」の中身について、昔古文で少し習った程度で何も覚えていないではないか!これでは兼好法師に申し訳ない!ということで、今回読んでみることにした次第である。


とは言っても、いきなり原文は無理なので、分かりやすく訳した本を探したら、ぴったりな本を見つけた。徒然草 すらすら読める日本の古典 <原文付き>、汐文社、2018年12月」である。

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この本は、子供でもスラスラ読めそうな楽しい現代文に、美しい挿し絵を添えて紹介しており、終わりには原文もしっかりと収録されている。以下に目次を示す。

【目次】

序段
109段 木登り名人の話
110段 双六名人の言葉
52段 知らんことは人に聞け
92段 無意識のなまけ心
89段 妖怪「猫また」騒動
11段 冬の初めのある日のこと
31段 風流な友の思い出
50段 伊勢の国から来た鬼
209段 命令をよく聞く家来
243段 わしの幼いころ
117段 友人の選び方
215段 昔の武士
68段 大根のご利益
145段 未来を見ぬく力
235段 心の乱れを生む原因
12段 語り合いの楽しみ

この本に収録されているのは、序段を含めて17段分だ。全体の243段からすればわずかだが、内容は多岐にわたり、兼好の思索や雑感、逸話が書かれているだけでなく、その中から日々の心構え、人生の警句を読み取ることができる


吉田兼好の「徒然草」は、清少納言枕草子」、鴨長明方丈記」とならび、日本三代随筆の一つと評価されている。兼好が「長年書き溜めてきた文章を鎌倉時代後期(1349年頃)にまとめた」とする説が有力だそうだ。


びっくりしたのは、そんな鎌倉時代(今から700年近くも前)はるか昔のお話なのに、当時の社会や生活がありありと感じられ、警句も現代の我々の社会にそっくりそのまま通用するものが多いことだ。兼好法師は、世の中のしがらみに左右されずに、第三者的に社会や世の人の生活を見て、感じたことや思ったことを書き記し、読む人に「なるほどそうだな〜」と感じさせる。さすがに三大随筆と言われるだけある。


今回ほんの少しではあるが「徒然草」に触れてみて、夫婦ブログの名前を「武蔵野つれづれ草」にして良かった😊と意を強くした。退職して世の中のしがらみが(ほとんど?)無くなった今だからこそ、経験し感じたことを色々記事にして発信できたらいいなと思う。


まさか700年後の未来にこのブログは残っているはずもないが、そんなことを想像するだけで非常に愉快である。