絵を描きたい人のための、ちょっとおかしなテキストであり、見て楽しむ人のための、一風変わったガイドブックでもある。(前書きより)
絵の学びとは
今だったら、創造性とか、多様性だとか、ひとりひとり自由に、感じるままに…とか、言われるのだろうけど、何を始めるにも、まずは、、「正確なデッサン」を学ばなくてはならない。
幼い頃は、大喜びでお絵かきしていたのに、いつの間にか、絵を描くのが苦手になってしまう。そんな人が少なくない。
5歳頃の絵。右は花を摘んだところか?(楽しく描けてるような気がする)
江戸時代の絵の学びの基本は「真似ること」
プロも、趣味で楽しむ人も、みんなそうだった。
江戸絵画は伝承された
江戸幕府の奥絵師を務めた中橋狩野家の祖、狩野安信が残した言葉を引用します。
絵には、天才が才能の溢れるままに描く「質画」と、努力を積み重ねて先人の作品から学ぶ「学画」があるが、一代限りで終わる前者より、優れた一つの描き方を後世まで伝えられる後者のほうが勝っている。
これには、びっくりだ❗️
余程、素晴らしい画家のスタイルを、みんなで、守り、伝えていくことが大切だったのかと。。
でも、そうして伝えられたからこそ、何百年も経った今に残されている、ともいえる。
美術館へ行っても、日本画の展示までは殆どいかなかったが、今度からはもう少し興味がもてるかもしれない。
江戸人はへそまがり
あえてぶっきらぼうに描いたり、わざと下手に描いたりするのも良し。
一所懸命描いた結果が下手でも良し。
それが、江戸絵画の価値観でもあった。
上手に描いて大衆ウケするより、素朴で純粋に楽しんで描いた絵のほうが尊い、という思想。
そう、いろいろ考えずに
江戸人のへそまがりキャラに乗っかって
絵を楽しんでしまってもいいんじゃないかな
と、思わせてくれた本でした。
本の御紹介です。お付き合いありがとうございました😊