庄内藩14万石の城下町として栄えた鶴岡は
作家藤沢周平さんの故郷だ。
さらに、ここ鶴岡は、 藤沢さんの作品『蝉しぐれ』の舞台・海坂藩(うなさかはん)のモデルとなった場所なのだ。
旧風間家住宅 丙申堂(へいしんどう)
明治29(1896)年、庄内藩御用商人の風間家7代目当主が建てた住居兼店舗。 国の重要文化財
すごい大邸宅だ
映画「蝉しぐれ」の撮影に使われた部屋がある
まずは石置屋根の説明ビデオを拝見
そして、2階の座敷の窓から実物を見学
(見学グループは私達含めて4人だった)
約40,000個の石が置かれている
藁葺き、瓦葺き、ではなく石が乗っている!
明治の頃のこの地方には多かったが、現存するのは2軒だけ。とても貴重だ
いよいよ、例の小座敷へ
お客様用に凝った造りになっている小座敷
ここで、あの再会のシーンが撮影されたのか…
しばし、眺めていると
おっと、と
案内役が先を歩かれるので、写真を撮るのが精一杯。。もっとじっくり見たかった😢
店から見通すことのできる「とおり」
長押(なげし)は、なんと杉の一本物
長さ八間(一間は約1.82m) 長い❗️
元の木の高さを想像してしまう
天井の竿縁(さおぶち)も八間の一本物
とおりを抜けると60畳の板の間 (食堂)
立派な大黒柱と複雑に組んだ梁が頑丈に支えている (トラス工法)
当時の大工さんの地震にも負けない技術はすごい!
小作人たちの懇親の場にもなった
母屋を中心に4つも蔵が! 金庫蔵とか!
さすが鶴岡第一の豪商であり、大地主だ
一方で慈善事業も行ってきたそうだ
昔の大金持ちは、それを自らの義務だとしていたと聞いたことがある
だから尊敬されたんだろうな、と思う
建築当時のままのガラス窓
丙申堂に別れを告げ、市内を流れる内川沿いを歩いてみる
「蝉しぐれ」で、城の外壕として描かれる五間川は、この川だとされている。
この内川も鶴ヶ丘城跡を巡るように流れている
千歳橋から三雪橋方面を臨む
今、私たちが見ている流れを、昔のひとも見ていたに違いない
そう、藤沢周平さんも。きっと
鶴岡を、庄内の地を深く愛していたのだろう
涙が出るような純粋な物語を、
この地に描いた
2005年に封切られた映画「蝉しぐれ」
原作に惚れ抜いた黒土三男監督は、資金集めに難航し、完成までに15年かかったという
残念ながら
藤沢さんがこの映画を観ることはできなかった
三雪橋近くから千歳橋方面を
日が和らぎ
夕暮れにさしかかる
さて、今日の宿に向かわなければ…
日本海に向かってレンタカーを走らせた
(つづく)
懐かしい! ー 20年前の気持ち
昔、映画を観た後に書いていたノートに「蝉しぐれ」の記録があった
ドラマ版も名作 !ー 我家はこちらを先に観た
ドラマ版は2003年放送。第30回放送文化基金賞ほか、多数受賞。脚本 黒土三男 / 出演 内野聖陽、水野真紀 ほか
(画像はNHKアーカイブスより)