武蔵野つれづれ草

リタイア後を楽しく!と始めた凸凹夫婦の面白ブログ。見たこと、感じたこと、残したいことをつづります。

🙋‍♂️偉そうに話してたんだ、ワシ


今から何年か前(確か2018年の春)、札幌に単身赴任中の仕事帰り、仲間と居酒屋で飲んでいた時の話である。
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後輩から「Y(私のこと)さんて、自分のこと
【ワシ】って言いますよね!」と言われてびっくり仰天。「えぇっ⁉︎ そんな言い方〈わたし〉がするわけないですよ〜」と反論したら、「ほら、今また【ワシ】って言った〜」と笑われてしまった。


まさかと思いつつ、その場は誤魔化しておいたが、東京に帰省した時に、妻に「ねぇ、ワシなんて言ってるかなぁ」と聞いてみた。

妻は「そう言えば、会社の人と電話してる時、そんな風に聞こえるね。早口になると〈わたし〉→〈わらし〉→〈わ〜し〉→〈わし〉になるんじゃない?」と分析してくれた。

やっぱりそうか〜。納得はしたものの・・

ひえ〜😱

 

いつからなんだろう。年を取って歯の隙間も大きくなり、舌も回らなくなってきたせいか?
自分では丁寧に【私】を使っているつもりが、相手には【ワシ(儂)】って聞こえていたなんて。まるで政治家みたいに、ずっと偉そうに話していただなんて。うわ〜っ。

これからは【私】の代わりに【僕】にしようかなんて考えたが、どうも柄ではない。まさか【俺】を使うわけにいかないし。てなことで、今まで通り外では【私】を続けるしかないな、ということに落ち着いた。

これからは滑舌よく【私】と言わなくちゃ。
「わたし、わたし、わたし・・」と口の体操をしながら、札幌に向かったのでした。

もちろんリタイア後は、【私】なんて話す機会もほとんど無いので、今は楽でありますが、年取ったなあ〜と感じた出来事でした。



ところで、日本語にはどうしてこんなに〈自分〉を表す一人称表現が多いのだろう。


ちなみに、国語辞書で【わし】を引いてみたらこう書いてあった。

わし【私・儂】

(代)

「わたし」の転

一人称。男性が、目下の者に対して尊大な感じを伴って用いる語。おれ。「━も年をとった」
近世では、主として女性が用いた。「薄雲はしほしほと涙ぐみ、━はかやうに落ぶれて路頭にさ迷ひありく事/浄瑠璃・当麻中将姫」〕

大辞林 第三版〉


な、なんと、私(わたし)が儂(わし)に変わるのは歴史の必然だったのだ(大袈裟ですが)。しかも、近世では女性が使っていたなんて知らなかった。


ちょっとホッとしたついでに、一人称を表す言葉を思いつくまま並べてみたら、こんなに出てきた。

私、わたくし、僕、俺、おいら、うち、あたし、あたい、自分、当方、小生、小職。

古くは、拙者、手前、某(それがし)、麿(まろ)、みども、あっし、吾輩、わらわ、わちき なども。。

他にも応用編?として、(酔った時の)わらし、あたしゃ、(加山雄三になったつもりで)ぼかぁなんてのも(笑)。もっとあるに違いない。

 

英語では【I(アイ) 】だけなのに、日本語ではどうしてこんなに一人称が多いのだろう。学者に聞けばきちんと答えが出るんだろうけど、【私】が思うに、日本では昔から相手と自分の立場を考えながら発言したり行動したりする文化が根付いているからじゃないかな。

相手が目上か目下か、偉いか偉くないか、強いか弱いか、年上か年下か、男か女か・・。相手の顔を見ながら自分の立ち位置を考えるDNAが、日本人には染み付いている気がする。良い意味でも悪い意味でも。

「忖度」という日本語を英語に訳すのは難しいらしい。このDNAは、一人称、二人称だけでなくて、尊敬語、謙譲語、丁寧語も含めた、話し方全体に及ぶから、日本語って大変だ。

 

ところで、話は変わりますが、二人称の範疇?かどうかわかりませんが、政治家を【先生】と呼ぶ慣習だけは、絶対撤廃して欲しい。

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国会議員の【先生】、どうか撤廃、よろしくお願いします! (あれっ?)

 

話が変わりすぎてすみません🙇‍♂️
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。